その愛を
何十回めかの誕生日を迎えました。ぼかして書くということはある程度の数字ということで…まあ、また一年が巡ってきたか、くらいのものです。
Twitterもやってるのですが風船飛んだ主張すらしません。
そんな、誕生日の思い出の話。
病状が今より悪かった頃。そして、パートナーがいた頃。パートナーに連れられて、家から自転車で10分ほどのところにあるペットショップに行きました。
わたしは爬虫類とハリネズミ、ウサギを見ていたのですが、パートナーが昔飼っていたという文鳥も、そういえばそんな種類の鳥の子もいたなあ、くらいの気持ちで見ました。
その後帰宅してから、…どんな経緯かも、もう、思い出せないのですが…誕生日の次の週末に、文鳥をお迎えしに行こう、という話がまとまりました。
いわゆるアニマルセラピーのため、ですね。
その事が決まってから、わたしは、何色の子にしよう、名前は何にしよう…ずっと考えていました。お迎えする日、ペットショップに着くその時まで。
ペットショップについて、文鳥のコーナーを見ると、桜の子が2羽と、その子たちと同じスペースに白の子が1匹入っていました。
お迎えするのは1匹だけ…そう思うと、なんとなく、この2羽の桜を引き離せない…白の子も可愛いし、白の子にしよう。そう決めました。
スペースから白の子を出してもらうと、店員さんの手からするりと抜け出し飛んでいくさまを見せてくれて、わたしは、その子に、力強さ、そして生、を見出しました。
この子をお迎えすると告げると、まだ半分くらいはさし餌、半分くらいは一人餌の月齢だったらしく、店員さんに飼育グッズや粟玉、さし餌に混ぜる栄養剤を見繕ってもらい、ケージのセッティングをおそわって、お迎えすると決めた白文鳥がはいった、小さな箱を受け取りました。
帰り道。一刻も早く暖かい場所にこの子を連れて行かなくちゃ。精一杯自転車を漕ぎながら、わたしは、白文鳥に名前をつけました。
ミルク。牛乳は真っ白で、滑らか、そのさま。
ミルク、待っててね。もうすぐ新しいおうちに連れて行くからね。精一杯、あなたのことを愛するからね。
わたしは何度もミルクと共に冬を越し、幸いなことにミルクは病気一つせず、ここまできました。途中、入院で数ヶ月会えなかったりすることもありましたが、ミルクはわたしのことを覚えていてくれました。
食欲も損なわれず、よく跳び回ると思いきやべったりしてきたり、いわゆる握りではないのですがとても懐いてくれて、パートナーと別れたいまは、わたしの唯一の同居人です。人?鳥か。まぁいいか。
ねぇ、ミルク。愛してるよ。これからもそばにいてね。